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能力を詳しく


亨仁「翠瑠や夜斗達って、今はこんなだけどさ。前は、仕事って、どんなことやってたんだ?」

翠瑠「生きとし生けるものの、始まりと終わりに立ち会う仕事です」

亨仁「…もうちょっと分かりやすく…」

月矢「無から有を生み出すのが天使、有を無に帰すのが悪魔…と聞いた事があるわ」

翠瑠「そうですね…えっと、じゃあ、例えばこの花なんですけど。
種から発芽する時に力添えするのが天使の仕事。その後成長して、花が咲いて実が成って…という辺りは、元々この植物が持っている力なので、私達は介入しません。
枯れた後、土に戻って、場合によってはまた種になる…この辺りが、夜斗さん達、悪魔の領分です」

月矢「0から1を、1から0をと聞くと、真反対の力…こう『→←』双方向のイメージだったけれど…リサイクルの矢印図みたいに、一定方向で円を描く感じなのね。…リサイクルマークは三角形だけれど」

亨仁「先輩、リサイクルの矢印図って…」

月矢「その辺でペットボトルでも買って来なさい」

亨仁「はい…」

夜斗「あ、あとこっちにはいねーけど、天には、堕天っていう突然変異がいて、それの能力は、俺らとは全然違うらしいな。
とはいえ伝え聞く限り、存在自体が絵空事というか、噂というか…滅茶苦茶だ。実際会った奴なんていねーしなぁ…でもまぁいるらしい」

亨仁「何だその、すっごい曖昧な話しぶり…」

夜斗「伝説級なんだよ。いる筈なんだが、どこにいるんだか…」

亨仁「ツチノコとかUMAみたいなもんか…?ちなみに、全然違うって、どんな力持ってんの?」

翠瑠「堕天の能力は、一言で言うと、逆回転…でしょうか。逆走、逆流。私達とは能力が及ぶ方向性が、真逆なんです」

夜斗「さっき言ってた花だけどな。堕天の場合、咲いてる花を、元の種の状態に戻せる」

亨仁「は…ッ?え、何それ、そんなん可能なのか…!?」

夜斗「花を種に、だけ聞くと、悪魔も似たようなことをしてるように見えるかもしれねーが…俺らの場合は、最初に咲いた花の種とは『違う』種だ」

翠瑠「ですが堕天は、既に花が咲くにまで至った植物を、元に戻せると。花だからこそ『種』ですが…」

月矢「…それは、人にも?」

翠瑠「…はい。もし使えば、死者の蘇生、ということも可能なのではないかと」

月矢「…!!」

翠瑠「あと、そうですね…もし人が、生まれ変わりを続けているのであれば…今の人物になる『前』の人に、戻す、ということも」

亨仁「俺が俺じゃなくて、前世の…武士とか?そういうのになっちまうかもってことか…!?」

翠瑠「可能性としては、あるようです」

夜斗「な?ありえねー感じだろ」

翠瑠「とはいえ噂話の域を出ないと言いますか…本当に、稀にしか現れない種なもので、現在も色々と研究中だそうですよ」

亨仁「え、それ、その…堕天?っていうの?そういうヒトって結局いるの?」

翠瑠「どうでしょう…もしいたとしても、軍上層部が匿うでしょうから、私達にはなんとも」

夜斗「いねーと思うんだがなぁ俺は…いたとしても、能力に関しては、大げさに言いすぎだと思うぜ」

翠瑠「ですがもし本当ならば、その能力は、あってはならない程のもの。ですから堕天は、忌み嫌われるのです。…話の中だけでも、こうも嫌悪して伝えられるような存在ならば……いない方が幸せなのではないでしょうか」

月矢「……」

亨仁「なーんか迷惑そうな存在?なんだな…?大変だなぁそいつも」




++++++++++++++++++++++++






月矢「……夜斗」

夜斗「………、言った筈だ、召喚されて、初めて会った時に。『何でも叶えられるわけではない』」

月矢「…『「それ」は絶対に出来ないことの一つだ』……」

夜斗「…そうだ」

月矢「……なんて役立たずなのかしら」

夜斗「…………」

月矢「世界の仕組みは、本当、理不尽ね…。私は貴方に、その堕天さん?とやらを連れて来て、と命令すべきだったかしら?」

夜斗「…だから、堕天は」

月矢「『いるかどうか分からない』。ふふ、そんなことすらも、分からないの。どこにいるとかじゃないの。いるのか、いないのか。たったそれだけなのに。それさえも分からないというの。ああ本当になんて…馬鹿げているのかしら」

夜斗「……それも」

月矢「出来ない事に、含まれているの。制約に縛られて、身動きの取れない、がんじがらめ…。いやだわ、なら貴方は、何が出来るのかしら…私が求めるものに対して、一体何なら出来るというのかしら」

夜斗「…………。あいつには…」

月矢「…あぁ、翠瑠さん…?聞いたところで恐らく、答えられる事は貴方とさして変わらないでしょうから……変なことはしないわよ…」

月矢「それにしても、馬鹿ねぇ貴方…堕天というものの存在自体、私に、隠しておくべきだったでしょうに…。眉唾だと。信じてなかったからこそ、口に出してしまったのかしら…。駄目ねぇ」




++++++++++++++++++++++++


月矢さんのスーパーSっ気炸裂タイム。
攻めすぎです。切り上げる以外終わりが見えなかった。

下の方の二人の会話は、後から、二人だけでしてるものです。



そういえば入れ損ねたんですが、堕天の能力ゲージ、それ自体が、普通の天使や悪魔とは逆の働きで、本来は使うほどになくなっていく能力が、堕天の場合は使えば使うほど強くなっていく、という噂もある…とか何とか。
ゲージ、目に見えるものではないですけども。
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神様はいるのか


夜斗「例えば、すごく大きい会社があったとして」

亨仁「うん?」

夜斗「勿論、会社ってんだから社長はいるんだろうけど、平社員は普段、社長の顔も見ないし話もしない」

亨仁「まあ…大きい所なら、そうなのかもな」

耀「俺ら学生だから、ピンとこないね。…あ、校長とかで置き換えてみても良いか」

夜斗「俺からしたら、こういう、経営されてる学校?っていうのが、馴染みないんだが…まあいいか。で。社長の存在を意識してなくても、会社は成り立つ」

莉帆「でもー社長さんがいないと、会社、潰れます?」

夜斗「そう。いなくてはならない根幹。だけどその存在は、下っ端には確認できない」

亨仁「え…じゃあ夜斗達、もしかして、神様知らないの?」

翠瑠「実際にお会いすることなくとも、存在を疑う、そんな意識すら持ち得ません…」

夜斗「神様一個人は知らねぇけど、存在してるだろ。じゃなかったらあの世界はどうやって成り立ってるんだよ」

耀「えー…と?じゃあつまり、神様は、いるんだよね?」

夜斗「いるといえばいるし」

翠瑠「いないといえばいません」

亨仁「はい…?」

莉帆「よくわかりませんー…」

夜斗「お前らが思う通りに思っとけば良いんだよ」

翠瑠「それが、この世界での、真実になります」

耀「それって…」

月矢「………まあ、そうね…聞いたところで私達は、それを確認する術など持たないし」

亨仁「何を聞いたところで、信じるも信じないも、俺達の心次第…ってか?」

耀「ちょっと論点がズレてる気はするけど…ま、いいか」

莉帆「わたしはー神様っていると思いますよ?だって、神様お願いします!って、祈りますよね。きっとそれを聞いてくれてるひとが、どこかにいるんですよー」

翠瑠「…素敵な、考えですね……」

夜斗「っつーか、社長がどうのって、分かりづらかったか?もしかして」

月矢「……例える意味がないと思ったわ」

夜斗「…ッ!?」


============================

本人達は、神の子という認識ではありますが、果たして他の世界の住人から見たらどうなのか。
神様が明確にいるとなったら、ひとの心境はどう変化するのか。
そもそも翠瑠は、天を飛び出した身でもあるので、夜斗とは思想が異なって来てるはず。

神様が動かしてるはずだけど、でも、軍も会社も、隊員と社員だけで仕事が回ってるような気がするよね?

神様って、世界そのものなんじゃない?意識ある個体としては、存在してないんじゃない?

そもそもその世界の概念自体が、神と呼べるんじゃない?



…とか。何か、色々、含めたいような、その前にまずまとめきれてないような。会話文と散文でした。

片羽もがれるまで


幼馴染みであり、親友でもある友人が2人、相次いで失踪した。
大事になってもおかしくない筈なのに、捜せど、調べど、おかしいくらいに何の手掛かりも得られない。



こんなことを、考える事自体、許されないことかもしれないけれど。
…僕は、この軍のことを、少し、信じきれないでいる。



とにかく、何らかの事情があるにしても、一人で捜すには限度がある。


だから現在所属している部隊から、調査・捕獲を専門とする部隊への転属願いを出した。
配属には適性もあるから、必ずしも受理されるとは限らない。
でも、万が一異動出来るようなら…、勿論私事と任務を一緒に考えてはいけないのだけれど、それでも、もしかしたら何らかの情報が入ってくるかもしれない。





そう思って待っていたのだけれど、転属願いは、受け入れて貰えなかった。




だけど、もう、ここしかない。
情報部よりも、実際の探索活動を行っているこの部隊の方が、何か、あるかもしれない。


ならば……。







「―――――おや」


「―――…ッ!」


「ぁあ?何だアイツ」
「うちの隊の者ではなさそうですね…ふむ。一応、警備やセキュリティのようなものも、あった筈なのですが…。まぁそもそも、『ここ』で、こういった行動に走る、その思考自体が、珍しいですか」


「……………、…」


「何かよくわからねーけど、面白いってことか?」
「……そうとも言いますね。どうしますか中佐」


「……!(ちゅう、さ…!?えッ、この隊の、最高司令…!?)」


「面白いなら良いんじゃね?うちに入れちまえ」
「そうですね。とはいえ現在軍紀違反真っ最中の犯人を、野放しにしておくのも、問題ですから。とりあえず私の部下ということにしておきましょうか」
「うん、また変なことしたら、追い出せば良いしな!任せた」
「了解しました。ハイ、ではそこの君」


「………え…ッ、あ、はい!?え、何…」


「今から君は私の下僕なので」


「はっ、…!?」


「おや本音が。部下でしたね失敬。とりあえず君にはうちへ異動して貰います。わかったら素早く動く!はい、転属願い届。これ書いて事務行ってまぁ形ばかりですがこれも必要事項ですからね、仕方ありません。はいぼさっとしない!」


「は、はい…ッ!(え、ぇえー…これ何、どうなってるの!?)」





そうして、一応念願だった筈の、調査・捕獲部隊への転属を果たした僕だったが、結局すぐには彼女達の行方の手掛かりは得られなかった。
直属の上司になったらしい少佐は、表向きは、奔放な上司(あの中佐だ)に苦労している好青年…という評価のようで、僕としては、第一印象からして、どこが好青年…としか思えなかった。中佐が奔放だというのは当たっているけれど。



少佐にこき使われたり、中佐に遊ばれたり、他の部隊員達とは普通に打ち解けられたり。



そうこうしている内に日々は過ぎていった。
その後、結局僕は、あの時入れられる筈だったであろう牢に、入ることになる。彼女達と関わりのあるであろう、裏事情と、引き換えに。




====================================

牢屋に入れられて片羽もがれるのは、物語の、大分終盤のこと。
それまでに、というかそもそものきっかけは何か、というのの片鱗話でした。

実際、それをしたのが彼らかはさておき。

吏印も、鏈霧や示隻と、わだかまりを持ちつつもそれなりに仲良くやってた時期もあったんですよ…という。



しかしあえて文中に名前を出さなかったんですが…ただでさえ読みにくい文章が、更に分かりにくくなってる原因の一つになっちゃってるような。
状況とかも書かずに進んだので、余計にこう、誰と誰の話だよ、っていうですね…。
えーと手掛かり求めて、鏈霧達の部隊に忍び込んで、見付かって、その弱みを盾にいいように使われることになった、吏印の話です、よー。
きっと他の部隊員が居合わせたら、もっと猫被りな反応だったであろう示隻さん。鏈霧は別に彼がどう振舞おうと気にしてません。自分への態度は何ら変わりないので。


ちなみにこの隊の最高司令が中佐なのは、3級部隊だから。
1級部隊なら、多分、最高司令は大佐とかだと思います(多分て)