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片羽もがれるまで


幼馴染みであり、親友でもある友人が2人、相次いで失踪した。
大事になってもおかしくない筈なのに、捜せど、調べど、おかしいくらいに何の手掛かりも得られない。



こんなことを、考える事自体、許されないことかもしれないけれど。
…僕は、この軍のことを、少し、信じきれないでいる。



とにかく、何らかの事情があるにしても、一人で捜すには限度がある。


だから現在所属している部隊から、調査・捕獲を専門とする部隊への転属願いを出した。
配属には適性もあるから、必ずしも受理されるとは限らない。
でも、万が一異動出来るようなら…、勿論私事と任務を一緒に考えてはいけないのだけれど、それでも、もしかしたら何らかの情報が入ってくるかもしれない。





そう思って待っていたのだけれど、転属願いは、受け入れて貰えなかった。




だけど、もう、ここしかない。
情報部よりも、実際の探索活動を行っているこの部隊の方が、何か、あるかもしれない。


ならば……。







「―――――おや」


「―――…ッ!」


「ぁあ?何だアイツ」
「うちの隊の者ではなさそうですね…ふむ。一応、警備やセキュリティのようなものも、あった筈なのですが…。まぁそもそも、『ここ』で、こういった行動に走る、その思考自体が、珍しいですか」


「……………、…」


「何かよくわからねーけど、面白いってことか?」
「……そうとも言いますね。どうしますか中佐」


「……!(ちゅう、さ…!?えッ、この隊の、最高司令…!?)」


「面白いなら良いんじゃね?うちに入れちまえ」
「そうですね。とはいえ現在軍紀違反真っ最中の犯人を、野放しにしておくのも、問題ですから。とりあえず私の部下ということにしておきましょうか」
「うん、また変なことしたら、追い出せば良いしな!任せた」
「了解しました。ハイ、ではそこの君」


「………え…ッ、あ、はい!?え、何…」


「今から君は私の下僕なので」


「はっ、…!?」


「おや本音が。部下でしたね失敬。とりあえず君にはうちへ異動して貰います。わかったら素早く動く!はい、転属願い届。これ書いて事務行ってまぁ形ばかりですがこれも必要事項ですからね、仕方ありません。はいぼさっとしない!」


「は、はい…ッ!(え、ぇえー…これ何、どうなってるの!?)」





そうして、一応念願だった筈の、調査・捕獲部隊への転属を果たした僕だったが、結局すぐには彼女達の行方の手掛かりは得られなかった。
直属の上司になったらしい少佐は、表向きは、奔放な上司(あの中佐だ)に苦労している好青年…という評価のようで、僕としては、第一印象からして、どこが好青年…としか思えなかった。中佐が奔放だというのは当たっているけれど。



少佐にこき使われたり、中佐に遊ばれたり、他の部隊員達とは普通に打ち解けられたり。



そうこうしている内に日々は過ぎていった。
その後、結局僕は、あの時入れられる筈だったであろう牢に、入ることになる。彼女達と関わりのあるであろう、裏事情と、引き換えに。




====================================

牢屋に入れられて片羽もがれるのは、物語の、大分終盤のこと。
それまでに、というかそもそものきっかけは何か、というのの片鱗話でした。

実際、それをしたのが彼らかはさておき。

吏印も、鏈霧や示隻と、わだかまりを持ちつつもそれなりに仲良くやってた時期もあったんですよ…という。



しかしあえて文中に名前を出さなかったんですが…ただでさえ読みにくい文章が、更に分かりにくくなってる原因の一つになっちゃってるような。
状況とかも書かずに進んだので、余計にこう、誰と誰の話だよ、っていうですね…。
えーと手掛かり求めて、鏈霧達の部隊に忍び込んで、見付かって、その弱みを盾にいいように使われることになった、吏印の話です、よー。
きっと他の部隊員が居合わせたら、もっと猫被りな反応だったであろう示隻さん。鏈霧は別に彼がどう振舞おうと気にしてません。自分への態度は何ら変わりないので。


ちなみにこの隊の最高司令が中佐なのは、3級部隊だから。
1級部隊なら、多分、最高司令は大佐とかだと思います(多分て)
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